お知らせ
2020/08/03
- 教員紹介
教員紹介「教えて!先生」情報マネジメント学部 加藤 泰久 教授
情報マネジメント学部 情報マネジメント学科
加藤 泰久教授
主な担当科目
デザイン思考概論 情報化社会とテクノロジー 生活環境デザイン
先生に、いろいろ聞いてみました!
先生は、教育者になる前は何をされていたんですか?
通信会社で、ネットサービスの研究開発をしていました。
通信会社の研究所で、録音された音声を要約して聴く実験や、三次元仮想空間でのマルチユーザ学習環境、小学校から大学までのeラーニングシステムの実践、サービスデザインの研究、などを行ってきました。もっと前の学生時代は、サークル活動に明け暮れていたように思います。音楽系のサークルで、ワールドミュージックや日本の伝統芸能などにも取り組んでいました。バリ島やジョージア(旧ソ連時代のグルジア)にも行って、現地の方々との音楽を通じた文化交流や、その音楽ができた生活背景、社会の仕組みなども調査しました。
先生が担当する科目の中で、特に魅力的な科目を1つ教えてください
デザイン思考概論
「デザイン思考」という考え方・方法論の一端をお話しします。ここでいうデザインとは、一般的なビジュアルデザインだけでなく、文章の構成や、物事の段取りなど、あらゆるもののデザインを指します。つまりデザイン思考とは、あらゆるものを設計プロセスを通して作り上げていく、それぞれの専門家の知見のこと。先行きが不透明な、いまの社会にも非常にマッチした考え方・やり方です。この授業を受けて、関心をもったら、ぜひ自分の実生活・実社会で実践してほしいと思います。
先生がいま主に取り組まれている研究テーマは?
eラーニングにおける「学習意欲」の研究です。
eラーニングにおける「学習意欲」を、自分自身でマネジメントする方法について研究しています。eラーニングは自由度が大きい反面、人によっては最後まで続かない等の課題もあります。一方、同じように画面上で操作するテレビやスマホのゲームは、多くの人の心をとらえ、集中させます。そういう要素を学習に組み込めれば、学習意欲の継続に役に立ちます。この研究でキーとなるのは、ハンガリー出身の心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏の「フロー理論」です。eラーニングの研究をしていた20年ほど前にチクセントミハイ氏の著書と出会い、後に学会で直接会って言葉もかけてもらい、私自身のモチベーションにもなっています。
その研究テーマが、実社会や一人ひとりの生活に関連してくる部分を教えてください
「学ぶ」ことは「生きる」ことなんです。
意識しているかどうか人によって違いはありますが、「学ぶ」ということは、「生きる(生活する)」ということと同義だと思っています。人は様々な状況に遭遇し、様々な学習を一生涯し続けます。特に社会環境の変化が激しく、長寿化・高齢化が進むいまの時代には、自分に合った学習環境を自分自身でデザインすることが必要です。そのような「人生100年時代」の学習環境デザインの方法論の一つとして、私の研究が役に立てば良いと思っています。
先生はオフを過ごしている中で、ご自身の研究を意識してしまうことはありますか?
「音」が気になってしまいます。
オフの日は趣味の音楽を聴いて過ごすことが多いのですが、会社員時代に音声データの研究をしていましたので、音については、ついつい気になってしまうことがあります。例えば、この音楽はどれぐらいの周波数帯を使っているか、この音楽はかなりの高周波を含んでいる、この音楽は低域だけ意図的に持ち上げている、とか。気になった音楽は、時々PCで音響データの周波数分析をやっています(笑)。
先生の「コレがお気に入り!」
オーディオ用スピーカー
やはり音へのこだわりが強く、スピーカーを何台か持っています。例えばダリ(DALI HELICON 300)というデンマークのスピーカー。これを探すまでに3ヵ月かかりました。こうしたオーディオ機器を探すときには、音楽プレーヤーで民族音楽、クラシック、ジャズ、ポップス、人の歌声などの音源を10曲くらい持っていき、聞き馴れた曲で試聴しています。15年程前に自宅のリビングの天井や壁にスピーカーを取り付け、11.1chサラウンドのホームシアターを作りました。家族で映画を大画面と迫力のサラウンドで楽しめるという理由で作ってしまいました(笑)。
ヘッドホンとデジタルオーディオプレーヤー
長年愛用しているゼンハイザー(SENNHEISER)のヘッドホン。大学に出勤する時も持ってきています。この音楽プレーヤーはオーディオ機器を探す際にも使う、ハイレゾ(High-Resolution Audio)対応のDAP(Digital Audio Player)です。
野鳥の撮影
リフレッシュしたい時は、近所の川や公園の池で、野鳥の写真を撮ったりします。この写真はカワセミを連写で捉えた一枚。ちなみにカワセミの頭からくちばしにかけてのカーブは、空力学的に非常によく出来ていて、新幹線の先頭車両のデザインにも採用されているそうです。
一期一会
予備校時代の化学の先生の言葉です。その予備校に通っていた時、人生で初めて「授業は面白い」ということを知りました。「フロー理論」にもつながるのですが、そういう瞬間、機会をとらえて、それに専念できるかが大切。今この瞬間は二度と来ない。この瞬間をどう活かすか。今どんな行動ができるか。明日のこと、来年も大事だが、今をどう生きるか、それが一期一会です。逆に、悩みことなどがあって集中できなかったら、その悩みの方を先に片づければいい。こうして自分自身の状態を知る、試金石としての言葉でもあります。
先生から、学生のみなさんへ。
自分の学びを、自分でデザインしよう!
東京通信大学で、オンラインで、自発的・自律的・自主的・計画的に学ぶ、という学び方を身につけてください。テクノロジーを活用してオンラインで学習するスタイルを身につけることで、可能性が広がります。今は時代の流れが早いので、知識はしばらくするとアップデートする必要が出てきます。卒業後も自分で学びの機会を見つけ、自分の学びは自分でデザインできるようになりましょう。
※プロフィール等の記載内容はすべて2020年7月取材当時のものです。
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